今回はこのような方に向けた記事です。
この記事でわかること。
撮影における光の重要性
自然光での撮影のしかた
鏡を使った光のつくり方
この記事の著者のプロフィール
・広告代理店アートディレククター
・キャリア15年目
・料理の撮影ディレクション経験豊富
実際の現場では、プロのカメラマンが撮影します。
しかし、自身でも撮影してみることで、シズル表現や撮影ディレクションのスキルアップに繋がります。
今回の内容は「広告デザイナー・ディレクター向け」に書いていますが、シズル写真を極めたい方、飯テロ画像をSNSにアップしたい方にも役にたちますよ。
スマホで撮影「自然光」の重要性
アングルとはカメラでモノを写す角度のこと。
「どんな料理なのか、どんな食材が使われているか」といった情報を伝えるために様々なアングルで撮影します。
例えば、ボリューミーなハンバーガーは真横から、トッピングが芸術的なパンケーキは真上からのアングルを選ぶといった感じです。
メニュー表やチラシなどの広告物で、ほかの料理と掲載する場合、角度を揃える必要がある場合はアングルを先に決めて撮影します。
…明るく撮影すること?
光で「立体感を出す」とはどういうことか?
この記事のために実際のスマホで撮影をしたので、それを元に解説したいと思います。
【 撮影条件 】
※撮影機種は iphoneSE、照明機材は持ってないので自然光のみでの撮影。撮影時刻は14時頃。天気は雨だったので太陽光はほぼナシでした。
自然光を当てずに撮影
※ iphoneSE で撮影
この写真は、自然光の当たらない部屋の隅っこで撮影し、「photoshop」という画像編集ソフトで明るさのみ調整したものです。
光を当てないと明暗のメリハリがないため、どこに「シズル」があるかだけでなく、何の食材を使っているかも分かりにくいです。
自然光を当てた撮影
※ iphoneSE で撮影
こちらは、自然光の当たる窓際で撮影し、photoshopで明るさのみ調整しました。
トマトやレタス、反射しにくいカボチャにまで光が当たってひとつひとつの食材が際立っているのが分かります。
この撮影では、サラダのマリネ感を出したかったのでドレッシングの反射がキレイに映るように意識しました。
シズル写真はあくまでも「食べたい欲を刺激」させなければならないので、アングルよりも「ベストな光の反射」をまずは探すようにしましょう。
自然光を使った撮影方法
2つめは、どこから当てるか。
料理や撮影する環境によって、光の感じは変わりますが、この2つのポイントを意識すると上手に撮れるようになります。
どこを狙うか
※ iphoneSE で撮影
食材には反射しやすいものと反射しにくいものがあります。
トマトやレタスのように表面がツルツルした食材は反射しやすく、表面がザラザラしたカボチャは光が反射しにくいです。
光はやみくもに全体に当てるのではなく、
・料理のどの部分を主張したいか
・どんな質感を表現したいか
を決めて、そこに光が当たるよう意識してみましょう。
※ iphoneSE で撮影
このパスタは自分の部屋の窓際に置き、自然光で撮影したものです。
一番主張したい「エビのプリッと感」に狙いを決めて、お皿を回したりアングルを変えたりして、エビにいい感じの光が当たるように撮影しました。
※ iphoneSE で撮影
これは焼肉屋さんで撮ったお肉。夜だったので、店内の明かりのみで撮影しました。
サラダやパスタと違って、お肉は反射しにくい食材ですが、上質なお肉のしっとり感が出る光のポイントを探して、撮影しました。
※ iphoneSE で撮影
これはカフェで、店内の明かりのみで撮影したものです。
きめ細やかな質感を表現したいと思い、横アングルで撮ってたんですが、光が反射しなかったので上からのアングルに変更。
結果、表面に光が当たり、質感を出す事ができました。
どこから光を当てるか
奥から光をあてると、手前に影が落ちる。
立体感が出やすくなるんだよ。
プロカメラマンの撮影現場でも、被写体の真後ろと左側に照明機材を置いて撮影します。
真後ろの照明は基本固定しつつ、左側にある照明機材を動かして調整するといった感じです。
あなたが今読んでるこの記事は左から右に文字が流れています。
スマホ画面にある「アプリのアイコン」も左上から右下へと順々に配置されるし、twitterも左にアイコンが配置されて右に文章が流れます。
人間の視線は左から右に流れるようにできているので、撮影する場合も、左側から光を入れるほうが違和感なくシズルを伝えやすいといった理由なんです。
鏡で自然光をサポートする
光が少し足りない。ここに光がほしい。
鏡を使うときは下の図のように、光を反射させて被写体の暗い部分を照らすといったイメージです。
鏡で光をプラスすれば、料理がグッと立体的になってシズル感がさらにアップします。
逆に光が強すぎる場合は、白い紙を使えば、光を抑えることができます。
まとめ
この記事のまとめ
・光の反射で立体感を出す
・ポイントを絞って光を当てる
・どんな質感を表現するか決める
・理想は左奥からの光
・光を足すときは鏡を使おう
正しいシズル表現について知りたい方は、こちらも合わせて読んでみてください。
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最後までありがとうございました。