

こんな方に読んでほしい!
・シズルがよく分からない…
・紙媒体のシズル表現に迷っている
・コピーライティングの伝え方
あなたもクライアントとの打ち合わせの時、
「この写真、もっとシズル出せませんか?」
「シズル感あるコピーがほしいですね。」
なんて言われた事ありませんか?

こんな時、シズルの本質を分かっていないと、要望に応えることができません。
今回は、
・シズルってそもそも何?
・写真とコピーでシズル感を出すコツ


この著者の簡単なプロフィール
・広告代理店アートディレククター
・チラシ制作歴15年以上
・大型スーパーの食品チラシ担当
もくじ
シズルとは?



シズル(sizzle)とは、揚げ物や肉が焼ける際の「ジュージュー」と音をたてる意味の英語で、そこから転じて、消費者の感覚を刺激して食欲や購買意欲を喚起する手法を意味する語になりました。また、最近では瑞々しさや新鮮さ、その商品の魅力やセールスポイントなど幅広い意味で使われています。


つまり、あなたのつくる「シズル表現」で、購買欲を刺激し、購入というゴールに辿りつかせる事ができたら任務完了ってわけです。



シズルを写真で伝えるコツ


五感に訴えかける



「料理は五感で楽しむ」っていうくらいだからね。
・視覚
(肉厚のステーキ、カラフルなサラダ)
・嗅覚
(甘い香り、カレーの匂い)
・味覚
(甘い、辛い、痺れる、すっぱい)
・聴覚
(焼肉のジュージュー、炭酸のシュワシュワ)
・触覚
(もっちり、パリパリ、ほくほく)







視覚は「味の記憶を呼び戻す」

例えば、
・初めて飲んだタピオカのもちもち感
・石焼ビビンバの「おこげ」の食感








臨場感とは、
まるでその場にいるかのような事。
超高画質のテレビで観るスポーツ中継のように、あたかもその場にいる雰囲気を味わうといった感じのことです。




あなたが食べ物でテンションがあがる瞬間ってどんな時ですか?
・焼肉屋で肉をひっくり返す瞬間
・唐揚げが揚がった瞬間
・よせ鍋のフタを開ける瞬間
・ピザのチーズがのびる瞬間
・パンケーキを切る瞬間
などなど。
イメージするだけ「やばい、食べたい…」ってなりませんか?


全ての料理には、臨場感ある瞬間が存在します。
その瞬間を伝えることで、味の記憶を鮮明に呼び戻すことができるということを知っておきましょう。
シズルはひとつに絞る



例えばラーメンの場合、
・麺のモチモチ感
・透き通ったスープ
・盛り付けの美しさ
・アツアツの湯気…



動画や雑誌など、スペースに余裕があるならまだしも、チラシやポスターはスペースがありません。

例えばラーメンの場合は、麺の太さなのか、スープの透明感なのか、どれかひとつに照準を絞って表現することで、「何を伝えたいか」を明確にすることができます。

ステーキ
出来たてアツアツ感を出すこと、肉の「焼けた部分」と断面の「レアな部分」のコントラストがステーキならではのシズル表現です。
上質な霜降り肉は、脂や肉汁のテカり感。
赤身肉の場合は、厚みや食べ応え感。

キーワード
・ジュージュー・炎・湯気・厚み・肉汁・弾ける肉汁・鉄板・
野菜
野菜の種類によって表現は変わります。
トマトやレタス、ほうれん草などの「葉物野菜」はみずみずしさ。
じゃがいも、かぼちゃ、ゴボウなどの「土物野菜」はゴロゴロ感。
みずみずしさは水滴をつけたり明るい陽射し、ゴロゴロ感は土をつけたり、木箱に入れたりして表現します。

キーワード
【葉物野菜】
みずみずしい・獲れたれ・水滴・朝の光
【土物野菜】
ゴロゴロ感・土・収穫・農場・市場
うなぎ
夏の疲れを吹き飛ばす「うなぎ」のシズルはふっくら感。
もちろん、炭火の熱感や、タレのテカりも重要なんですが、ここ数年の爆発的な値上がりによって、うなぎを食べない家庭も増えています。

キーワード
ふっくら、断面、ごはん、タレ、網、うちわ、炭火、煙
涼麺
冷やし中華や、冷麺、そうめんといった「冷し麺」は、温かいラーメンやうどんに間違われがちです。
「温かいの?冷たいの?」と勘違いされないように、明確に「冷たいものですよ」と分かるようにしなければいけません。


透明なガラスの器や水色っぽい背景、氷の入ったお茶を置くなど、夏っぽくすることで、涼しい感じを演出することができます。
キーワード
ガラス、透明感、水色、明るい、すだれ、強めの夏光
4つの料理を例として挙げましたが、ほかの料理の場合でも、
- おいしいそうなシズルを抽出。
- 一番推すべきポイントを探す。

コピーでシズルを表現する



コピーでシズルを伝える時のポイントはただひとつ。
読んだ人の心を動かさなければ意味がない。




食感、擬音のコピー
じゅわ〜、ふんわり、とろ〜り、シャリシャリ…。
食感を表す擬音は「味の想像」がしやすいので、とても効果的です。

音の響きや、リズム感の良さ、また小さい子供にも分かりやすい言葉は、昔から使われる王道のコピー表現ともいえます。
地名、技法、ブランドのコピー
「北海道がぎっしり詰まった海の幸弁当」
「バリスタが焙煎!本格コーヒー」
地名や技法そのものに価値がある場合は、堂々と使った方がよいです。

単語そのものに価値がある場合は強調してあげた方が効果的です。
雰囲気、環境のコピー
「チキン母さん煮定食」
「こたつで楽しむ、家族だんらん鍋」
環境や雰囲気でシズルを伝えるコピー表現もあります。
家で食べるカップラーメンも、海の家で食べた方がおいしいように、食べる場所や雰囲気でおしさもグッと変わります。

クリスマス、お盆などの季節催事で使うことが多い手法です。
コピーにもいろいろな表現手法がありますが、「一番推したいポイント」を探す事ができれば、伝えたいコピーの手法も見つかりやすくなります。

まとめ


今回説明した内容のまとめです。
・シズルで購買意欲を刺激する
・シズルは五感を刺激させる
・視覚は食べた記憶を呼び戻す
・ひとつのシズルに絞る
・コピーでシズル価値を高める

そうする事によって、「なぜそのシズルが良いと思ったのか」が説明できるようになります。

料理のシズルを見極め、食欲を刺激する広告をどんどん作っていきましょう!
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最後までありがとうございました。